アラフォー事務リーマンの雑記

つらつらと思いついたことを書いていきます。

後付けの犠牲者・安西先生

 

 

SLAM DUNK安西先生は無能、指導者失格だとよくネットで言われる。怪我をして、グレた三井を放置したからだ。
「今はケガを治すことに専念しなさい。君はこんなところで終わる選手じゃない」その一言があれば、三井はグレずに、リハビリに専念できた。怪我もゆっくり治せて、改めてバスケにも打ち込めた。
これが無能説の根拠だ。正直、まったくその通りだと思う。

練習中にケガをして入院した選手がいたら、もっとメンタル面を気遣ってあげたほうが良い。三井が心底、安西監督を慕っている描写があったこともあり、放置するのは薄情に感じてしまう。無能かどうかはともかく、その点で指導者として、ちょっとどうかと思う。


しかし、最近、考えが変わった。

三井の入部が、後付けということが分かったからだ。
三井は当初、バスケ部に喧嘩を売る不良役として終わる存在だった。
当初、5人目のレギュラーは、桜木軍団の水戸の予定だった。
しかし、乱闘中に、バスケ部にこだわる理由として、元バスケ部のエースという設定を入れ、それがハマりすぎた。三井の過去エピソードがあまりにも良かった。
結果、三井が部に入る動機づけができて、水戸ではなく、三井を入部させることにした。

こういう柔軟な路線変更ができる井上先生はすごい。
読んでいてもまったく違和感はなかった。

こうして、主人公・桜木と並ぶ人気キャラ、三井寿が誕生した。何らかの挫折がある人は、特に感情移入してしまうだろう。

ただ、その路線変更で、安西先生は割りをくってしまった感がある。
バスケ部にいれるつもりもないただの不良役を、元バスケ部エースと変えた。そして、周囲のフォローもあまりなく、グレてしまったという設定になった。
不良役ありきっだったので、怪我の時に監督がフォローして、希望を持ってリハビリに励んだということができなくなってしまった。

三井を不良からバスケ部にした、路線変更はいうまでもなく大成功である。人気キャラができた上に、湘北の強さの説得力も増した。

ただ、過去編で安西先生を慕っている描写が強い分、見捨てた感が出てしまっているのは否めない。ちょっと安西監督がかわいそうだなあと思った。

 

作品として大成功の路線変更。その犠牲になったのだ・・・