アラフォー事務リーマンの雑記

つらつらと思いついたことを書いていきます。

感想 ミュージカル『るろうに剣心 京都編』

 

 

昨日、ミュージカルのるろうに剣心を見てきた。
生でミュージカルを見ることは初めてなので、レポートしていきたい。


会場は、IHIステージアラウンド東京。
観客席が360度回転することで有名なステージだ。

 

 

この会場を事前に調べたとき、ある疑惑がうかんだ。
「推しの子でアクアとあかねがデートの時にいった場所ってここじゃね?」

調べたら漫画の会場は架空の場所だが、モチーフとなっているのは、IHIステージアラウンド東京という説が濃厚だそうだ。
やはりか。

お値段は14,500円。
正直、いい値段するなあとは思った。

しかし、一回とれば、以後は録画を流すことができる映画とは違う。
講演のたびに俳優が生演技をして、セットも作らなければならない。仕方ないとも思う。

主演は小池徹平、志々雄真実役に黒羽麻璃央、脚本・演出は小池修一郎
俳優にうとい私でも、小池徹平の名前はさすがに知っていた。


ミュージカルの当日、開場30分前に現地についた。
最寄り駅はゆりかもめの市場前駅。豊洲市場のすぐそばだ。


ついたのはよいが、開場時間にならなければ、ステージ内に入ることはできない。
周りにも時間をつぶせるような場所はなかった。

晴れた初夏で、風が気持ちいい夕暮れ。ベンチにかけていれば快適だった。
ただ、冬や真夏、雨の日などはつらいだろう。

次に行く機会があったら、開場10分前につくようにしたい。
30分前は早すぎた。


開場時間と同時にステージに入った。
ステージは映画館を一回り大きくしたようなサイズで、大きすぎず小さすぎだった。

前から19列目なのでオペラグラスを片手にスタンバイ。

開場から30分してから上映開始。
いよいよ本番が始まった。


今回は続編の京都編。

おおむねストーリーは、原作通り進んだ。
映画版より準拠度が高かった。

相違点としては以下があげられる。


・張が、薄刃乃太刀を使わず、ずっと連刃刀で戦う
・夷腕坊・蝙也は葵屋での戦闘後にアジトに逃亡する
・斎藤・蒼紫・左之助は志々雄と戦わず、葵屋から逃げ帰った志々雄一派の兵を倒す役になった
・方治が、政府に出頭せず、志々雄の戦い直後に自害する

 

逆にいえば、上記以外は、細かい点を含めて原作準拠だった。
原作を愛する私としては良かった。

良かった点を述べていきたい。

 

・キャラがたっている十本刀
十本刀が個々人それぞれ、しっかり描かれている。
ミュージカルなので、それぞれが一人ひとり歌うシーンがある。また、各自が戦うシーンもある。
十本刀に推しがいる人は、実写化を楽しめるだろう。

 

・声が低い男・鎌足
前述の十本刀でも特に良かったのが鎌足
男優の奥野壮が演じる。
見た目は原作同様女性であるが、声が非常に低い。
原作以上に容姿は女、性別は男というのが分かりやすくなっている。

原作は、性別が男というのは設定くらいのものだとしか思えなかった。
しかし、低い声で志々雄に愛されない辛さをなげかれると、「せやな・・・」と納得してしまう。
鎌足が重いテーマを背負ったキャラだとあらためて気づいた。

 

重いだけではない。
裾をめくって、男性器を披露するシーンは笑いを誘った。
私も笑ってしまった。


・ハイテンション方治
原作では怜悧な参謀だが、こっちではやたらハイテンション。
笑顔で歌って踊る。
十本刀のメンバーをイキイキと観客の皆様に紹介する。
妙にコミカル。

「役立たずが。だから女は嫌なんだ!!」というポリコレにひっかかりまくるセリフも、ハイテンション方治がいうとどこか面白い。

みていて楽しい気持ちになってきた。


以上、良かった点を述べた。

 

だが、上記のような細かい点よりも、真に良いのはミュージカルという特徴だろう。

ミュージカルよりも映画の方が、映像のサイズは大きい。
だが、実際の人間が自分の前で演じて、戦う姿を見ると、生の生命力を感じて迫力が違う。
セットも実際に組んであって、没入感が出てくる。

歌って踊るミュージカル特有の行為も流れをぶったぎるかと思ったが、思っているよりも自然だった。

ミュージカルとしての面白さがわかった。


次に残念だった点を書いていきたい。

 

・志々雄の強さが伝わらない
以前、記事で書いた通り、私は志々雄が大好きである。

特に剣心、斎藤、蒼紫、左之助を一人でしりぞける圧倒的な強さがすばらしい。

しかし、前述の通り、斎藤・蒼紫・左之助は、志々雄とは戦わなかった。
結果、2回の戦いを経て傷だらけの剣心に、由美のアシスト付きでも負けることになった。原作の圧倒的な強さが伝わらなかった。

 

・唐突な展開
仕方ないかもしれないが、単行本10巻分を、3時間の演劇にまとめたので、省略された場所が多い。
煉獄は出て10秒で沈没した。


省略が多くても、構成のうまさか、ストーリー自体の把握は難しくない。
だが、唐突と感じる場面は多かった。

特に宗次郎について、剣心との戦いで突然発狂した。
「あなたが正しいというならなぜあの時、僕を守ってくれなかったんですか?」という、宗次郎の核心をつく、剣心とのやり取りもなかった。
原作未読の人は、宗次郎が発狂した意味がわかるのかなあと思った。

 


細かい箇所で不満点はあるが、面白い作品だった。
ミュージカルや2.5次元に興味のある人はこれを機会に見にいっても良いと思う。