アラフォー事務リーマンの雑記

つらつらと思いついたことを書いていきます。

論・志々雄真実

 

所詮、この世は弱肉強食。強ければ生き弱ければ死ぬ


上記のセリフで有名な志々雄真実を語りたいと思う。
私はこのキャラが大好きである。

このキャラは和月伸宏氏が書いた少年漫画・るろうに剣心のボスキャラである。
剣客だが、人を斬らないことを信念とする主人公・剣心。
それに対して、弱肉強食をモットーに、最強である自分が政府を転覆して自分の国を築くことを狙う悪役だ。
中盤のシーズンボスである。しかし、ブリーチなら藍染幽遊白書なら戸愚呂弟と同様、知名度インパクト的に実質的なラスボスと言えるかもしれない。

 

以下、好きな点をつらつらと述べていきたい。


ひたすら強い
まず、ボスは強くなければならない。
本当に大事なことである。
別に悪の組織の長だからって、その組織で腕っぷしが最強である必要はまったくないのだが、当然のように一番強い。

組織内だけでなく作中でも圧巻の強さで、主人公パーティー4人を一人で圧倒した。

ドラゴンボールなら、悟空・ベジータ・悟飯・ゴテンクスを一人で倒したようものである。
パーティーを一蹴したシーンは大変インパクトがあった。

なお、戦いの前には、「この俺自ら闘うのは何年振りかだな」と言っていた。
組織のトップであって、戦いの場に出るのは相当、久しぶりのようである。
だからといって、「ぐふっ・・・久しぶりでなまっていたか・・・」で、主人公にボロ負けしたら、ここまで惹きつけないキャラだっただろう。

ちなみにだが、強さ議論では、主人公の師匠に次いで二位とよく言われる。
私としても、特に異論はない。おそらく二位であろう。
新作の北海道編の服部武雄も加わえると、もしかしたら三位かもしれない。

しかし、師匠は、ポッと出の怪物一人を倒すくらいしか戦闘描写がない。
メインキャラ4人を倒す芸術点を加えて、「それでも最強は志々雄様や」と一言付け加えておきたい。


インパクトある見た目
昔、仲間に裏切られて燃やされ、全身に大やけどを負い、包帯が巻かれている。
それだけでインパクトある見た目なのに、かっこいいのである。
身体中に包帯を巻かれたのに対象にこんなかっこいいビジュアルを描ける和月先生は素晴らしいと思う。

 

 


・自分を愛するものと、慕う家臣がいる
悪役として君臨しながら、自分のことを心から愛する人や、慕って忠誠を誓う家臣がいる。どのように愛して、どう忠誠を尽くすのか、丁寧に描かれている。
どっちかはいても、両方いるボスキャラは、結構少ない。
一人に両立させる場合があるかもしれないが、それは愛欲のついでの忠誠だから、やっぱり別々のキャラが欲しいと思っている。

その二人以外にも、志々雄が組織した十本刀という集団で、敗戦して瓦解した後も、相変わらず志々雄が好きな家臣が3人いる。
(宗次郎・張・鎌足

部下5人から好かれるボスは珍しく、人間的な魅力やカリスマ性があるんだと思う。

 

・おしゃべり
殺し合いの最中なのに敵に、さかんに話しかけてよく話す。
趣味はきっとおしゃべりなんだろうと思う。
一々そこで、中二心をくすぐるかっこいい言葉が出てくる。
かっこよくて真似したくなる。


・信念を明白なキャッチコピーにして絶対にぶれない
最初に述べた「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き弱ければ死ぬ」を絶対の信念として、それは最初から最後まで微塵もぶれなかった。
敵味方関係なく、信念をぶれずに貫き通すのは、大いなる魅力である。
また、信念が非常にキャッチーな言葉になっている。コピーライターとしての才能もあるだろう。


・かっこいい散り様
志々雄は、前述の通り全身に大やけどを負った。
発汗機能がなくなり、医者の見立てでは15分しか戦えない体になってしまっていた。
(明治時代に、こんなレアケースで、稼働時間のめどをつけた医者はタイムリーパーなんだろうか)

ラストバトルでは激闘の末、主人公の最強の奥義をくらいながらも立ち上った。
そして、とどめの一太刀を入れようとした瞬間に、15分をはるかに超えた激戦のため、熱くなった体で人体発火を起こしてしまった。
燃える身体で、高笑いとともに消えていく。

これは今見ても、素晴らしい最期である。
悪役なので当然、負けなければならない。
ただ、弱肉強食で自分が最強がモットーの志々雄が負けるとしても、負けを悟っての自殺や相手に負けを認めた完敗であってはならない。

大やけどで異常な体温。
15分しか戦えないと医者には言われている。
事前に張られた伏線を見事に回収して、エフェクトとしても見事な散りさまだった。


上記以外にも好きな点はたくさんあるが、
まとまりもつかなくなるので割愛する。

言いたいのは志々雄真実は素晴らしいキャラであり、それを描き切った和月先生は秀逸だということだ。